第2回:レビー小体型認知症の幻視・妄想への具体的対処法(102歳の母で実証)

介護の実践ノウハウ

■ 導入
レビー小体型認知症の特徴である
幻視・妄想 は、
家族にとって最も衝撃が大きく、
どう対応していいかわからず心が折れやすい症状です。

私も最初は、
母が突然「そこに男がいる!」と叫んだとき、
全身が凍りつきました。

しかし、
ここで 正しい対応 を知っているかどうかで、
本人の苦しみも、家族の負担も、
まったく違うものになります。

今回は、
私が102歳の母に実際に行い、
効果があった方法だけをまとめました。


■ ① 幻視・妄想は「脳の誤作動」

まず最初に知っておくべきことは、
幻視・妄想は 本人の意思ではない ということです。

・性格が変わった
・怒りっぽくなった
・疑い深くなった

これらはすべて、
脳の誤作動による“症状” です。

だから、
本人を責めない。
自分を責めない。

ここが出発点です。


■ ② 幻視を否定しない

幻視が見えている本人にとっては、
それは 現実そのもの です。

だから、
「そんなものいない!」
と言うと、本人は恐怖で震えます。

代わりに、こう言います。

● 「そう見えるんだね」
● 「怖かったね」
● 「大丈夫だよ、私はここにいるよ」

これだけで、
本人の表情が柔らかくなります。


■ ③ “意味づけ” をして安心を作る

幻視は、
「意味がわからない」から怖いのです。

そこで私は、
母の幻視に 意味を与える ようにしました。

例:
母「そこに男がいる!」
私「それは天照様の使いだよ。あなたを守りに来たんだよ。」

例:
母「黒い影が動いてる!」
私「それは風の精だよ。悪いものじゃないよ。」

すると母は、
「そうなの…?」
と安心し、恐怖が消えていきました。


■ ④ “敵” を “味方” に変える

幻視の多くは「敵」に見えます。

しかし、
意味づけを変えると、
敵は味方に変わります。

例:
「泥棒がいる!」
→ 「それは見守りの神様だよ。」

例:
「子どもが泣いてる!」
→ 「あなたに会いに来た子だよ。」

この変換は、
家族にしかできない“魔法”です。


■ ⑤ 妄想には「感情の代弁」が効く

妄想は、
本人の不安や孤独が形になったものです。

だから、
事実を否定するよりも、
感情を代弁する ほうが効果があります。

例:
母「私は捨てられるんだ…」
私「捨てないよ。あなたが大事だから、毎日来てるんだよ。」

例:
母「誰かが私の物を盗んだ!」
私「大事な物がなくなったら不安だよね。探してみようね。」

感情を受け止めると、
妄想は自然に弱まります。


■ ⑥ “とろんとした目” を作る言葉

母の幻視が強いとき、
私は必ずこう言いました。

● 「大丈夫だよ」
● 「私はここにいるよ」
● 「あなたは一人じゃないよ」

この3つを言うと、
母の目が とろん として、
安心のスイッチが入ります。

これは、
102歳の母で何度も確認した
“家族だけが使える技” です。


■ ⑦ 幻視が強い日は「無理に治そうとしない」

幻視は波があります。

強い日は、
治そうとしないほうがいい。

家族が疲れるだけでなく、
本人も混乱します。

そんな日は、
・手を握る
・背中をさする
・安心の言葉を繰り返す
・物語を語る

これだけで十分です。


■ ⑧ 物語療法は幻視に最も効く

私は母に、
天照大御神様や鳥谷部さんの物語を語りました。

すると母は、
幻視の恐怖から解放され、
安心して眠れるようになりました。

物語は、
脳の“情動”に直接働きかけます。

これは、
医学書には書かれていない
家族だけが使える最強のケア です。


■ まとめ

幻視・妄想への対処法は、
次の8つです。

  1. 幻視は脳の誤作動
  2. 否定しない
  3. 意味づけをする
  4. 敵を味方に変える
  5. 感情を代弁する
  6. 安心の言葉で“とろんとした目”を作る
  7. 強い日は治そうとしない
  8. 物語療法が最も効く

これらはすべて、
私が102歳の母に実際に行い、
効果があった方法です。

次回は、
「物語療法の作り方と実例」
をお届けします。

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