第13回:レビー小体型認知症の“歩行の不安定さ”への対処法

介護の実践ノウハウ

■ 導入
レビー小体型認知症では、
歩行の不安定さ(パーキンソニズム) がよく見られます。

● 歩幅が小さくなる
● すり足になる
● 前のめりになる
● 歩き出しが難しい
● 途中で止まる
● 転びやすい

これらは、
家族にとっても本人にとっても
大きな不安になります。

しかし、
歩行の不安定さには “家族ができるケア” が存在します。

私は102歳の母の介護で、
歩行の不安をやわらげる方法を
何度も試し、効果を確認しました。

今回はそのすべてをまとめます。


■ ① 歩行の不安定さは「脳の信号の乱れ」

まず知ってほしいこと。

歩行の不安定さは、筋力の問題ではありません。

レビー小体型認知症では、
脳から身体への信号が乱れるため、
歩行が不安定になります。

だから、
本人の努力ではどうにもできません。

家族も自分を責める必要はありません。


■ ② 歩き出しは“声かけ”で助けられる

レビーでは、
「歩き出し」が最も難しいことがあります。

私は母に、
次のように声をかけました。

● 「ゆっくりでいいよ」
● 「一歩だけ出してみよう」
● 「大丈夫、私はここにいるよ」

声かけは、
脳の“動き出しスイッチ”を入れる効果があります。


■ ③ 手を軽く添えると歩きやすくなる

母の歩行を支えるとき、
私は 手を軽く添えるだけ にしました。

● 強く支えない
● 引っ張らない
● 押さない

軽く触れるだけで、
脳が「安心した」と判断し、
歩きやすくなります。


■ ④ “歩幅をそろえる”と安定する

母と歩くとき、
私は必ず 歩幅を合わせました。

● 母の歩幅に合わせる
● 母より先に歩かない
● 母を急がせない

歩幅がそろうと、
転倒リスクが大きく減ります。


■ ⑤ “すり足”にはリズムが効く

すり足が強いとき、
私は母にリズムを使いました。

● 「トン、トン、トン」
● 「いち、に、いち、に」

リズムは、
脳の運動回路を刺激し、
足が前に出やすくなります。


■ ⑥ “前のめり”には姿勢の調整が効く

前のめりは転倒の大きな原因です。

● 椅子の高さを調整
● クッションで姿勢を支える
● 足の位置を整える

姿勢が整うと、
歩行が安定します。


■ ⑦ “途中で止まる”ときの対処法

レビーでは、
歩行中に突然止まることがあります。

そのときは、
● 焦らせない
● 引っ張らない
● 声をかける
● 手を握る

「大丈夫だよ。ゆっくりでいいよ。」
と伝えると、
再び歩き出せることが多いです。


■ ⑧ 転倒予防のための“環境づくり”

歩行の不安定さは、
環境を整えるだけで大きく改善します。

● 段差をなくす
● カーペットを固定する
● 物を置かない
● 夜は弱い光をつける
● 滑りにくい靴下

これらは、
転倒リスクを大幅に減らします。


■ ⑨ “安心の言葉”が歩行を安定させる

歩行の不安定さは、
不安が強いと悪化します。

だから、
安心の言葉が非常に効果的です。

● 「大丈夫だよ」
● 「私はここにいるよ」
● 「ゆっくりでいいよ」

これらを言うと、
母の歩行は明らかに安定しました。


■ ⑩ 家族が無理をしない

歩行の介助は、
家族の身体にも負担がかかります。

だから、
無理に長時間向き合わなくていい。

● 5分だけ
● 3分だけ
● 1分だけ

短い時間でも、
安心は十分伝わります。


■ まとめ

歩行の不安定さは、
レビー小体型認知症の特徴です。

しかし、
次の方法で大きくやわらぎます。

  1. 歩行の不安定さは脳の信号の乱れ
  2. 歩き出しは声かけ
  3. 手を軽く添える
  4. 歩幅をそろえる
  5. リズムが効く
  6. 姿勢を整える
  7. 止まったら焦らせない
  8. 環境を整える
  9. 安心の言葉
  10. 家族も無理をしない

次回は、
第14回:レビー小体型認知症の“食事の不安”への対処法
をお届けします。

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