第15回:レビー小体型認知症の“昼夜逆転”への対処法(実践編)

介護の実践ノウハウ

■ 導入
レビー小体型認知症では、
昼夜逆転 が非常に多く見られます。

● 昼に眠る
● 夜に覚醒する
● 夜に不安が強くなる
● 夜間の幻視・妄想
● 夜中に歩き出す
● 朝にぐったりしている

これらは、
家族の生活リズムを壊し、
心身の負担が最も大きくなる症状です。

しかし、
昼夜逆転には “家族ができる実践ケア” が存在します。

私は102歳の母の介護で、
昼夜逆転をやわらげる方法を
何度も試し、効果を確認しました。

今回はそのすべてをまとめます。


■ ① 昼夜逆転は「脳の時計の乱れ」

まず知ってほしいこと。

昼夜逆転は、本人の意思ではありません。

レビー小体型認知症では、
脳の“体内時計”が乱れ、
昼と夜の区別がつきにくくなります。

だから、
本人を責めない。
自分を責めない。

ここが出発点です。


■ ② 朝の“光”が体内時計を整える

昼夜逆転を整える最も効果的な方法は、
朝の光 です。

● カーテンを開ける
● 朝日を浴びる
● 部屋を明るくする

光は、
脳の体内時計をリセットします。

私は母に、
朝の光を必ず浴びてもらいました。


■ ③ 朝の“声かけ”が覚醒を助ける

朝は、脳がまだ眠っています。

そこで私は、
ゆっくり声をかけました。

● 「おはよう」
● 「今日も一緒に過ごそうね」
● 「大丈夫だよ」

この“朝の安心スイッチ”が、
覚醒を助けます。


■ ④ 昼寝は“短く”

昼夜逆転の大きな原因は、
昼寝の長さ です。

● 30分以内
● 夕方は寝かせない
● 寝るなら明るい場所で

これだけで、
夜の覚醒が減ります。


■ ⑤ 昼は“刺激”を少し増やす

昼間は、
脳を軽く刺激すると夜に眠りやすくなります。

● 会話
● 音楽
● 写真を見る
● 手を握る
● 軽い体操

無理に動かさなくていい。
“心が動く刺激”で十分です。


■ ⑥ 夜は“刺激を減らす”

夜は、
脳が過敏になっています。

● テレビを消す
● 部屋を暗めにする
● 静かな環境
● ゆっくりした声

刺激を減らすことで、
夜の不安が弱まります。


■ ⑦ 夜の不安には“安心の言葉”

夜は、
不安が最も強くなる時間帯です。

だから、
安心の言葉が非常に効果的です。

● 「大丈夫だよ」
● 「私はここにいるよ」
● 「あなたは一人じゃないよ」

この3つは、
夜の不安をやわらげる
最強の安心ワード です。


■ ⑧ 夜の覚醒には“物語療法”

夜に覚醒したとき、
私は必ず物語療法を使いました。

例:
「あなたの心の庭に、
 静かな夜の光が降りているよ。」

例:
「光の隊が、
 あなたを見守っているよ。」

物語は、
夜の不安をやわらげる
“心の薬” です。


■ ⑨ 夜中に歩き出すときの対処法

レビーでは、
夜中に歩き出すことがあります。

そのときは、
● 焦らせない
● 止めようとしない
● 手を握る
● ゆっくり声をかける

「大丈夫だよ。ゆっくりでいいよ。」
と伝えると、
落ち着くことが多いです。


■ ⑩ 家族が無理をしない

昼夜逆転は、
家族の負担が最も大きい症状です。

だから、
無理に長時間向き合わなくていい。

● デイサービス
● ショートステイ
● 兄弟に頼む
● プロに任せる

家族が倒れないことが、
本人を守ることにつながります。


■ まとめ

昼夜逆転は、
レビー小体型認知症の特徴です。

しかし、
次の方法で大きくやわらぎます。

  1. 昼夜逆転は脳の時計の乱れ
  2. 朝の光
  3. 朝の声かけ
  4. 昼寝は短く
  5. 昼は軽い刺激
  6. 夜は刺激を減らす
  7. 安心の言葉
  8. 物語療法
  9. 夜中の歩行は焦らせない
  10. 家族も無理をしない

次回は、
第16回:レビー小体型認知症の“排泄の不安”への対処法
をお届けします。

コメント