第48回:レビー小体型認知症の“家族の心を守るケアの実践例”(ケーススタディ編)

介護の実践ノウハウ

■ 導入
レビー小体型認知症の介護では、
「実際にどう対応したらいいのか」
という疑問が常につきまといます。

● 幻視が出たとき
● 転倒したとき
● 夜中に起きたとき
● 食事が進まないとき
● こわばりが強いとき
● 不安が高まったとき

今回は、
102歳の母の実体験をもとに、
“その瞬間どう対応したか” を
ケーススタディとしてまとめます。


■ ケース1:幻視が出たときの対応

● 状況

母:「あそこに子どもがいるよ。」
(実際には誰もいない)

● 対応

私は否定せず、こう言いました。

「そう見えたんだね。
 怖くないよ。大丈夫だよ。」

そのあと、
手を握りながらゆっくり深呼吸。

● 結果

母の表情がゆるみ、
「もういなくなったね」と落ち着きました。


■ ケース2:転倒したときの“心のケア”

● 状況

車いすのストッパーが外れ、
母が前に倒れて顔を強打。

● 対応

私はこう伝えました。

「大事にならなかったのは、
 あなたが守られたからだよ。
 まだ生きる力がある証だよ。」

そして、
“十三仏が支えた物語”を語りました。

● 結果

母は安心し、
「守られたんだねぇ」と笑顔に。


■ ケース3:夜中に起きたとき

● 状況

深夜2時、母が不安そうに起きる。

● 対応

  1. 「大丈夫だよ。ここにいるよ。」
  2. 「今は夜だよ。安心していいよ。」
  3. 手を握り、背中をゆっくりさする

● 結果

5分ほどで眠りに戻りました。


■ ケース4:食事が進まないとき

● 状況

母が食事を前にして固まる。

● 対応

● 一口を小さく
● 好きなものから
● 静かな環境
● 「一緒に食べようね」と声かけ

● 結果

ゆっくりではあるが、
完食できる日が増えました。


■ ケース5:こわばりが強いとき

● 状況

朝、身体が固まり動けない。

● 対応

● 手を握る
● 肩に触れる
● ゆっくり立つ
● ゆっくり座る

「ゆっくりでいいよ」と繰り返す。

● 結果

こわばりが和らぎ、
動作がスムーズに。


■ ケース6:同じ質問を繰り返すとき

● 状況

母:「今日は何日?」
(5分おきに繰り返す)

● 対応

答える前に、
「大丈夫だよ。安心してね。」
と伝える。

そのあと、
ゆっくり答える。

● 結果

質問の回数が減り、
表情が落ち着く。


■ ケース7:不安が強い日の対応

● 状況

母が理由なく落ち着かない。

● 対応

物語療法を使う。

「あなたの心の庭に、
 今日も光が降りているよ。」

「光の隊が、
 あなたを包んで見守っているよ。」

● 結果

母の表情が柔らかくなり、
呼吸が深くなる。


■ ケース8:家族の心が疲れたとき

● 状況

私自身が疲れ、
気持ちが重くなる。

● 対応

● 5分座る
● 深呼吸
● コーヒーを飲む
● 外の空気を吸う
● 誰かに話す

● 結果

心が軽くなり、
母に優しく接する余裕が戻る。


■ ケース9:急な変化があったとき

● 状況

母が急に混乱し、
普段と違う行動をする。

● 対応

「変化は脳のサイン」と理解し、
焦らず、ゆっくり寄り添う。

● 結果

30分ほどで落ち着く。


■ ケース10:笑顔が出た瞬間を“光”として記録

● 状況

母がふと笑う。

● 対応

その瞬間を
“希望のノート”に記録。

● 何がきっかけだったか
● どんな表情だったか
● どんな言葉をかけたか

● 結果

家族の心が満たされ、
介護の力になる。


■ まとめ

実践例は、
家族の不安を減らし、
「自分にもできる」と思える力になります。

  1. 幻視は共感
  2. 転倒は意味づけ
  3. 夜中は3ステップ
  4. 食事は焦らせない
  5. こわばりはゆっくり
  6. 質問は安心で減る
  7. 不安は物語療法
  8. 家族の休息は介護
  9. 変化は脳のサイン
  10. 笑顔は希望の記録

次回は、
第49回:レビー小体型認知症の“家族の心を守るケアの未来”(希望の継承編)
をお届けします。

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