第36回:レビー小体型認知症の“家族の心を守る食事ケア”(食べる安心編)

介護の実践ノウハウ

■ 導入
レビー小体型認知症の介護では、
食事の時間が不安と緊張の時間になることがあります。

● 食べる量が減る
● 飲み込みが不安
● こわばりでスプーンが持てない
● 食事中に眠くなる
● 幻視で食べ物が怖く見える
● 食べるのを拒否する
● 家族も心配で疲れてしまう

しかし、
食事には “食べる安心ケア” と呼べる
家族にしかできない寄り添い方があります。

私は102歳の母の介護で、
食事ケアが母の生命力にも、
私自身の心の安定にもつながることを実感しました。

今回はそのすべてをまとめます。


■ ① 食事は「心の状態」が強く影響する

レビーでは、
食事の量は体調だけでなく
心の状態 に大きく左右されます。

● 不安
● 混乱
● こわばり
● 疲れ

これらが強いと、
食べる力が弱くなります。

だから、
食事は“心を整える時間”として扱うことが大切です。


■ ② 食事前の“安心の声かけ”が効果的

私は食事の前に必ずこう言いました。

● 「ゆっくりでいいよ。」
● 「大丈夫だよ。」
● 「一緒に食べようね。」

この一言で、
母の表情がふっと柔らかくなりました。


■ ③ 食事の“姿勢”が安全を守る

姿勢は、
飲み込みの安全に直結します。

● 少し前かがみ
● 足を床につける
● 首を軽く前に倒す

姿勢が整うと、
誤嚥のリスクが大きく減ります。


■ ④ “一口の量”は小さく

レビーでは、
飲み込みが不安定になることがあります。

● 一口を小さく
● ゆっくり
● 口の中が空になってから次へ

これだけで、
食事の安全が大きく高まります。


■ ⑤ “食事中の声かけ”は短く・穏やかに

食事中は、
脳が食べることに集中しています。

だから、
声かけは短く・穏やかに。

● 「ゆっくりでいいよ。」
● 「大丈夫だよ。」
● 「おいしいね。」

声のトーンが安心をつくります。


■ ⑥ “こわばり”にはゆっくり触れる

食事中に手がこわばることがあります。

そのときは、
● 手をそっと包む
● 肩に軽く触れる
● 深呼吸を合わせる

触れ方がゆっくりだと、
こわばりがやわらぎます。


■ ⑦ “幻視で食べ物が怖く見える”ときの対応

レビーでは、
食べ物が怖く見えることがあります。

そのときは、
×「そんなもの見えるはずないよ」
○「怖く見えたんだね。でも大丈夫だよ。」

否定しないことが大切です。


■ ⑧ “食べない日”があっても責めない

レビーでは、
食べない日があります。

● 体調
● 気分
● こわばり
● 不安

これらが重なると、
食べる力が落ちます。

その日は、
“食べられる範囲でいい”
と決めることが大切です。


■ ⑨ “家族の不安”も食事に影響する

家族が不安だと、
その空気が本人に伝わります。

だから、
● 深呼吸
● 5分休む
● コーヒーを飲む

家族の心を整えることが、
本人の安心につながります。


■ ⑩ 食事ケアは“積み重ね”で安定する

食事ケアは、
一度で劇的に変わるものではありません。

● 今日の一口
● 今日の姿勢
● 今日の声かけ

これらが積み重なって、
食事は少しずつ安定していきます。


■ まとめ

食事ケアは、
レビー小体型認知症の介護で
命と心を守る最も大切なケアです。

しかし、
次の方法で食事は必ず安心に近づきます。

  1. 心の状態が影響する
  2. 食事前の安心の声
  3. 姿勢を整える
  4. 一口を小さく
  5. 穏やかな声
  6. こわばりにはゆっくり
  7. 幻視は否定しない
  8. 食べない日は責めない
  9. 家族の心を整える
  10. 積み重ねで安定する

次回は、
第37回:レビー小体型認知症の“家族の心を守る排泄ケア”(安心のトイレ編)
をお届けします。

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