■ 導入
レビー小体型認知症には、
“良い日”と“悪い日”がはっきり分かれる
という特徴があります。
昨日は笑っていたのに、
今日は別人のように不安定。
昨日は歩けたのに、
今日は立てない。
昨日は会話ができたのに、
今日は言葉が出ない。
この“波”は、
家族を最も混乱させる症状のひとつです。
しかし、
この波を理解し、読み取れるようになると、
家族の心は驚くほど軽くなります。
今回は、
私が102歳の母の介護で実際に使った
“波の読み方”と“対応のコツ” をまとめます。
■ ① レビーの波は「病気の特徴」であり、家族のせいではない
まず最初に知ってほしいこと。
良い日と悪い日の差は、家族の努力とは無関係。
・昨日のケアが悪かった
・自分の言い方が悪かった
・もっと優しくすればよかった
こうした罪悪感は、
すべて不要です。
波は、
レビー小体型認知症の“脳の変動”によるものです。
■ ② 良い日は「脳の回路がつながっている日」
良い日は、
● 表情が明るい
● 会話がスムーズ
● 幻視が少ない
● 歩ける
● 食欲がある
これは、
脳の回路が一時的に安定している日 です。
この日は、
・会話
・散歩
・思い出話
・好きな音楽
など、
“脳が喜ぶこと”をすると効果が高いです。
■ ③ 悪い日は「脳の回路が混線している日」
悪い日は、
● 幻視が強い
● 妄想が出る
● 不安が強い
● 眠れない
● 歩けない
● 表情がこわばる
これは、
脳の回路が混線している日 です。
この日は、
“治そうとしない”ことが大切です。
● 無理に歩かせない
● 無理に会話させない
● 無理に食べさせない
ただ、
安心を与えることに集中します。
■ ④ 波は「1日の中でも変動する」
レビーの波は、
1日単位ではなく、
数時間単位で変動します。
朝は良い → 昼に悪化 → 夜に回復
ということも珍しくありません。
だから、
「今日は悪い日だ…」
と決めつける必要はありません。
■ ⑤ 波を読む“3つのサイン”
私は母の様子を観察する中で、
波を読むための“3つのサイン”を見つけました。
● サイン1:目の動き
良い日 → 目がしっかりしている
悪い日 → 目が泳ぐ・焦点が合わない
● サイン2:声のトーン
良い日 → 声がはっきり
悪い日 → かすれる・弱い
● サイン3:姿勢
良い日 → 背筋が伸びる
悪い日 → 前かがみ・力が入らない
■ ⑥ 良い日の過ごし方
良い日は、
“脳が開いている日”です。
● 会話
● 思い出話
● 写真を見る
● 好きな音楽
● 軽い散歩
● 手を握る時間
これらは、
脳の活性化につながります。
■ ⑦ 悪い日の過ごし方
悪い日は、
“脳が閉じている日”です。
● 無理をしない
● 刺激を減らす
● 照明を落とす
● 声をゆっくり
● 手を握る
● 物語療法
これだけで十分です。
■ ⑧ 波を理解すると、家族の心が軽くなる
波を理解すると、
家族はこう思えるようになります。
● 「今日は悪い日だから無理しないでいい」
● 「明日は良い日かもしれない」
● 「これは病気の波であって、私のせいじゃない」
この“心の余裕”が、
家族を救います。
■ まとめ
レビー小体型認知症の波は、
家族の努力とは無関係です。
- 波は病気の特徴
- 良い日は脳が安定
- 悪い日は脳が混線
- 1日の中でも変動する
- 目・声・姿勢で波が読める
- 良い日は脳を活性化
- 悪い日は無理をしない
- 波を理解すると家族が救われる
次回は、
「レビー小体型認知症の“夜の不安”への対処法」
をお届けします。


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