第16回:レビー小体型認知症の“排泄の不安”への対処法

介護の実践ノウハウ

■ 導入
レビー小体型認知症では、
排泄の不安 が非常に多く見られます。

● トイレに行きたがらない
● トイレの場所がわからない
● トイレが怖い
● 便意・尿意がわからない
● 間に合わない
● 失敗を恥ずかしがる
● 排泄を拒否する

これらは、
本人の尊厳にも深く関わるため、
家族にとっても非常にデリケートで難しいテーマです。

しかし、
排泄の不安には “家族ができるケア” が存在します。

私は102歳の母の介護で、
排泄の不安をやわらげる方法を
何度も試し、効果を確認しました。

今回はそのすべてをまとめます。


■ ① 排泄の不安は「脳の誤作動」

まず知ってほしいこと。

排泄の不安は、本人の意思ではありません。

レビー小体型認知症では、
脳の誤作動によって
● 便意・尿意がわからない
● トイレの場所がわからない
● トイレが怖く感じる
● 失敗を強く恥じる

といった症状が出ます。

だから、
本人を責めない。
自分を責めない。

ここが出発点です。


■ ② トイレの“場所の不安”をなくす

レビーでは、
トイレの場所がわからなくなることがあります。

● ドアに大きな表示
● 明るい照明
● 通路に障害物を置かない
● 夜は弱い光をつける

これだけで、
トイレへの不安が大きく減ります。


■ ③ トイレの“怖さ”をやわらげる

レビーでは、
トイレの影や音が怖く感じられることがあります。

● 明るい照明
● 影を作らない
● 扉を少し開けておく
● 家族がそばにいる

母は、
私がそばにいるだけで
安心してトイレに入れました。


■ ④ “声かけ”が排泄を助ける

排泄の不安には、
声かけが非常に効果的です。

● 「ゆっくりでいいよ」
● 「大丈夫だよ」
● 「私はここにいるよ」

この3つは、
排泄の不安をやわらげる
最強の安心ワード です。


■ ⑤ “時間の見通し”を伝える

レビーでは、
「何をするのか」がわからないと不安になります。

だから私は、
母にこう伝えました。

● 「今からトイレに行こうね」
● 「ゆっくり座ろうね」
● 「終わったら戻ろうね」

“見通し”があると、
不安が大きく減ります。


■ ⑥ “失敗”は責めない

排泄の失敗は、
本人が最も傷つく瞬間です。

だから私は、
絶対に責めませんでした。

● 「大丈夫だよ」
● 「誰にでもあるよ」
● 「ゆっくりでいいよ」

この言葉だけで、
母の表情は救われました。


■ ⑦ “便意・尿意がわからない”ときの対処

レビーでは、
便意・尿意がわからなくなることがあります。

そのときは、
● 食後
● 起床後
● 就寝前
● 2〜3時間ごと

に“声かけ”をして誘導しました。

無理に連れていかなくていい。
“提案”で十分です。


■ ⑧ “拒否”が出たときの対処法

母がトイレを拒否したとき、
私はこうしました。

● 焦らせない
● 少し時間を置く
● 手を握る
● 安心の言葉を伝える
● 物語療法を使う

例:
「光の隊が、あなたを見守っているよ。」
「心の庭に、優しい風が吹いているよ。」

心がゆるむと、
排泄もスムーズになります。


■ ⑨ 家族が無理をしない

排泄介助は、
家族の心にも身体にも負担がかかります。

だから、
無理に長時間向き合わなくていい。

● デイサービス
● ショートステイ
● 訪問介護
● 兄弟に頼む

家族が倒れないことが、
本人を守ることにつながります。


■ まとめ

排泄の不安は、
レビー小体型認知症の特徴です。

しかし、
次の方法で大きくやわらぎます。

  1. 排泄の不安は脳の誤作動
  2. トイレの場所をわかりやすく
  3. トイレの怖さを減らす
  4. 安心の声かけ
  5. 見通しを伝える
  6. 失敗は責めない
  7. 便意・尿意がわからない日は誘導
  8. 拒否には安心と言葉と物語
  9. 家族も無理をしない

次回は、
第17回:レビー小体型認知症の“入浴の不安”への対処法
をお届けします。

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